- 2012年09月15日
京都市文化遺産展示室にて - 2012年09月04日
平成24年度巡行報告⑤ - 2012年09月02日
平成24年度巡行報告④ - 2012年09月01日
平成24年度巡行報告③
2012年9月アーカイブ
京都市文化遺産展示室にて
9月に入って京都市文化遺産展示室に出掛けました。
文化遺産展示室での大船鉾復興展示は、展示室準備委員会で大船鉾の復興の過程を段階的に順次御覧頂く展示をというコンセプトの下に復興鉾実物の展示がスタートしました。
ところが、オープンの昨年10月23日から10ヶ月以上経ちましたが、展示されている鉾に変化はありません。
展示室に何回も通っておられる方から、「期待して見に行っているのに何も変わっていないじゃないですか」とお叱りを受ける事もしばしばです。
大船鉾保存会と致しましては、早く着工したいと考えておるのですが、現状は、勝手な着工は出来ないという状態にあります。
それは、基本設計が未だ確定していないからです。
大船鉾の復興鉾の設計は現在、京都市・有識者・連合会・大船鉾保存会からなる大船鉾復原検討委員会で審議されております。
木部部分の設計確定から1年以上経った現在も大詰めには来ているものの未だ屋形部分の設計を確定するまでには至っておりません。
基本設計の確定→実施図面→見積→優先順位上位で資金の目途が立った部分から着工する予定でございます。
このペースで行きますと2014年を第一目標とし復興を目指している私共の満願が成就した場合、文化財展示室で復興の過程をお見せ出来る期間はほんの僅かな時間という事になってしまいます。
2014年の巡行を成し遂げた場合でも、恐らくは、その鉾は未だ完成品ではありません。
その後、漆を塗り、木工金工細工を施し、不足の懸想品を揃え等々、20年~30年、ひょっとすると半世紀かかるかもしれません。
出来るだけみなさんに復興の過程を御覧頂きたく、巡行参加後もしばらくの間、この展示室に常設展示できればと思ったのですが、毎年、余分に運搬組立に200万円近くのお金が必要となる為、復興支援募金を行っている事、展示を行う事による費用対効果を考えた上で、難しいという判断になりました。
常設展示で観光資源にもなっているという事から、もちろん京都市の方に非公式ですが相談いたしましたが、出し入れは自由だがその費用は一切出せないと・・・。
何とも、八方塞がりな感じは致しますが、何とか本来の大船鉾復興展示のコンセプトである復興過程を順次御覧頂く事が可能になるように知恵を絞って参りたいと思います。
写真は当日展示室の鉾の上で撮りました。
何をやっているかは今は秘密ですが、大人が遊んでるわけではありません。お楽しみにしていて下さい。
平成24年度巡行報告⑤
第5回目は新町通から帰町までです。
姉小路で前をゆく役行者山さんが松や傘をたたんで東進、室町へむかわれました。新町を下がって四条町とは何かしらのえにしを感じる三条町では八幡山さんが町会所へ御山をなおされるところを拝見いたしました。
六角町付近です。お囃子のテンポが良かったため、思いのほか早足ぎみになってしまいました。御池新町で水分補給をさせていないことも少しきになりつつ…です。
百足屋町
帰町の直前を四条町からのぞみますとこんな感じです。先に通られた船鉾さんから30分以上あいていました為か静かな印象の写真ですね。しかし!このカメラの後ろ、帰町地点にはほんとに大勢の方がお迎えくださりました。
「おつかれさまどした~」「おめでとうー」という喝采に迎えられ感動の帰町です。
最後の囃子です。大船鉾のお囃子では納めの曲として「凱歌」というものがあり、それをだんだん早くなるように3回繰り返します。「凱歌の三ベンじゃ!」指揮声のもと最高潮に達します。来年は七ヘンやったらどうです?
無事の帰還でしたが、唐櫃を乗せる文政12年製作の馬が名誉の負傷です。町内に伝わる大宝やこれから創作する大宝はいつもいつも、大事に大事に扱いますが、7月のお祭り本番では出し惜しみせず、ここぞと皆様にご覧いただきたく、使用・巡行いたします。この果敢さも祇園祭では大切なのです。大事に大事にしている自慢の逸品を大勢に見てもらい感嘆いただく。これを誇らしく思い、また大切に受け継いでゆくわけですね。そうしてやむなく傷んだものは町の名誉にかけて翌年にはきっちり直します。唐櫃自体は無傷ではありましたが、直射日光を浴び外側も中身も凄い熱を帯びておりました。来年は熱対策を行います。
以上で平成24年度巡行報告を終わります。今後、新調事業やその後の大船鉾について適時お伝えしてゆこうと思います。宜しくお願い申し上げます。
平成24年度巡行報告④
第4回目は御池通の様子です。
市役所前で、大きな拍手と「お帰りー」「立派な鉾を造ってくれよー!」の声援、グッと来た瞬間でした。
涙が出そうになるのを必死にこらえ真っ青の天を仰ぎましたが、この大空の向こうで先人達が見守ってくれていると思うと余計に泣きそうになったので、前を見る事にしました。
直上から日射を受けつつ気力で囃子を続ける囃子方です。気力では他町さんに負けている気はないとの事ですが、やはり紡いだ歴史の差からくる技量等は如何ともしがたく及ばないところがあります。「四条町大船鉾保存会」と「大船鉾囃子方」は別組織のため、町内から多くの言及は避けますが、祗園囃子というのは合奏でありますため、モーツァルトやハイドンのような傑出した個人は必要ありません。各々サリエリたれ!と考えています。町内も囃子方も初めての巡行でしたが本当によくやってくれました。
御池烏丸をこえると北観音さん、南観音さんがお待ちいただいておりました。鉾の下からも上からも「おめでとう!」と手を振っていただきました。言葉に出来ないほどの感激です。感無量!巡行前の打ち合わせで「お供衆はみだりに手を振ったりしない事」と取り決めておりましたのでお辞儀しかできませんでしたが本当は飛び上がるほど嬉しかったです。こういう時は囃子方の出番です。来年もこういうシーンがあれば、囃子方は精一杯手を振ってお応えして下さい。
衣棚まで来ました。
放下鉾さんにもお待ちいただいておりました。「唐櫃巡行といえどもずっと道の真ん中を巡行しなされ」ともったいないお言葉をいただいておりました。お先に失礼いたします、とご挨拶し新町通りへ入ってゆきます。御池新町ではボランティアさんがお茶をふるまって下さろうと持ってきていただいたのですが、「お待ちいただいてました山鉾の皆さんに尚の時間をとらせるわけにはゆくまい」と遠慮させていただきました。有難うございました。
続く。
平成24年度巡行報告③
第3回目は四条通~河原町御池にさしかかるまでの様子です。
四条富小路の様子です。長刀鉾のお稚児さんです。御池衣棚付近で鉾から下りられたお稚児さんが強力さんに担がれて四条富小路の自宅に戻ってこられました。その時当町の巡行列がさしかかりましたので記念に写真を撮らせていただきました。振り返ると四条新町に長刀鉾が出てきていました。もうちょっとでウロボロスですw
お旅所です。大神様の御神幸の露祓いたる祇園会のエトゥワールです。心をこめて拝みました。
暑い中沿道からは絶え間ない拍手を頂きました。有難うございます。来年も唐櫃巡行の予定ですが、今年より進化した形をお見せしたい!と思う瞬間です。
河原町に入りました。笛方がんばれ!
囃子方の中村さん。
河原町三条近辺です。まだまだ緊張しています。献上粽の場所を抜かさないよう、前の山に遅れないよう、御池新町で待たせすぎないよう…
河原町御池の辻です。大船鉾の前をゆかれるのは役行者山さん。キレイです~。前をゆかれる縁と思って役行者さんのことも勉強してみましたところ最も大きな舁き山とのこと。立派です。それと、巡行中の所作掛け声が無茶苦茶格好よかったです。(詳しくはyoutubeなどで見られますよ)大船鉾も、祇園祭神事全般に昔風情を踏襲した格好良さを追求しています。決して奇抜にならず、独りよがりにならず、いちびらず…王朝にふさわしい格調高い格好良さ。研鑽研鑽です。
続く。