- 2014年03月05日
裾幕完成
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2014年3月アーカイブ
裾幕完成
去る2月13日、ヨドバシ展示場の大船鉾に本番用裾幕が飾られました。 この幕は京都市立芸術大学の学生にデザインを依頼し、完成を見たものです。ただ、奔放にデザイン取りをして頂いたわけではありません。古来の大船鉾につけられていた「青海波」の文様を踏襲しつつ、現代感覚を加味して原案をいただきました。
依頼にあたり四条町から、「こたびの幕は、大船鉾の本装として100年・200年と大切に受け継ぎ使用してゆくものであります為、それに値する物をお願いします。...万物に於いて、古来より今に残るモノには全て[起源][理由]があります。思いつきで放った言葉や、特に意味を込めない作品は残ってゆきません。起源は即ち[テーゼ]であり、理由は[哲学]であります。[哲学]は噛み砕けば[智]であります。この2つを芯だてした作品をお願い申し上げます。但し神様の作ったものと違い、人の作るものなので、欠けたるものの有りとおもへば...云々」と注文いたしました。 これに対し、学生さんたちは実に真摯に取り組んでくださいました。アルファー波をフル分泌していただき、さても見事な裾幕の完成をみました。
本幕は、白地の布に鉄紺の染料を、全て手描きにて入れ、仕上げてあります。手描きで染料を入れる作業は言語に絶するはずです。何しろ精緻な作業を繰り返す中、仕上がりは大胆にしようというのですから。 穏やかな青海を描いたはずのこの幕を、10人が眺めると、9人が「冴!」というイメージを思い浮かべるほど不思議なキレがあり、また、制作過程の労苦は古来の幕の出来を越え、ついに「人が一度に見得ないもの」を見せてくれるに至ります。 裏地に別布にて、制作頂いた六方の芳名を、町中がこの幕を見たときの感動句とともに刻み、後世大切に受け継がれるよう願いを込めました。揮毫は無論、当町抱えの書家坐屼先生です。
[世蓋(せいがい)は 睹(み)ること能わずと 言い候へども 此の幕は 数 寄にして 之を顕す 町中 裘孤白(きゅうこはく)を得るに 々。
蛍雪の功なる 京都市立芸術大学生 東穂 愛子 佐藤 花音 三富 翔太 覺野 真規子 木塚 奈津子 花岡 ゆう 六氏に 格段の礼を 申し上げ候 平成廿六年六月 四条町]
世の蓋(大空)は睹る(見切る)ことができないと 言うが この幕は ありえないことに これをひと目で見渡せるような素晴らしい出来だ。四条町の我々は孤白裘(孟嘗君所有の天下の名物で狐の腋の白い毛のみを集めて作った純白のコート:諸国の英傑が欲したが最後は蓁昭王の后の手に渡った)を得たような喜びだ。
東穂 愛子 佐藤 花音 三富 翔太 覺野 真規子 木塚 奈津子 花岡 ゆう 六氏に格別の、御礼を申し上げます。